恐るべし、ハワイのオペレーション。
2006/05/02

なんか、ブログその他で色々活動していたらすっかり時間がたってしまい、ハワイ旅行ももはや思い出の彼方・・と言う感じの今日この頃。
ゴールデンウィークの連休に突入寸前ということで、もしかしてお暇なアナタのために辛口キス一本。やってみます。

いや、あのね、客商売におけるオペレーションって、結構な確率でいらいらさせられませんか?
レストランとか、ホテルとか、まあ何でもいいんですけど、例えばホテルのルームサービスに電話して、「すぐ伺います」って言ったくせに30分以上待たされ、わたくしはもう出かけなくちゃならないんですけど・・というタイミングでやっと登場、しかも用件を伝えても「担当に確認します」で更に待たされる・・なんてことは、日本の高級ホテルでもかなりありがちです。
特に高級ホテルというか、伝統ある・大型ホテルだと、「担当」とか「出入り業者」とかが多すぎて命令系統混乱してるんだろうなー、というのが手に取るようにわかったりするわけですが。
しかもマニュアル万歳だから不測の事態になかなかこたえてくれないし、でもその代わり、ある程度の質のサーヴィスは間違いなく提供してくれるんですよね。

と、いうのは、よく外国人のクライアントと日本の高級ホテル・レストランなどにいるときに勃発するイベントなのですが、外国人の「柔軟性の高い、というか我儘・・というか・・とにかく普通は想定外のリクエスト」に対するレスポンスが、鼻血が出るほど遅い。
ちょっといい例が思いつかないんですが、例えば、「ジーンズが破けてしまったので、縫って欲しい」とか言うリクエストをすると、客室係の方々、フロントの方々、コンシェルジュの方まで話がまわり、最終的には「出入りの業者に確認したのですが、お修理はやっていないそうです。万が一のことがあると困りますので、こちらでは承れません」とかだったりする。っていうか。
どちらかといえば触らぬ神にたたりなし、顧客満足をあげるよりも、クレームを受けない方向で物事を処理する感じ。
で、よく外国人に「日本人と言うのは総じて能力が低いのか? リクエストに対してレスポンスが悪すぎる」と言われる羽目になるわけですが、そんなときわたくしは、「違うのよ。全ての人が同じ能力を持っているわけではない以上、マニュアルをつくって、それからの逸脱をしないというのが、一定以上のサーヴィスを提供するための一つの方法なの」とご丁寧に説明して差し上げるわけです。

対して、ヨーロッパ。
確かに柔軟性は高いし、愛想一つでものすごい例外的なサーヴィスが受けられたりします。我儘なお願いも、相手の機嫌やこちらの押しの強さによってはかなりの確率でかなえられてしまう。
が、全体的なレベルとしてはムラがある、というのが本音のところ。
マニュアルであれば、無理難題は引き受けない代わりに客側の失敗についても、それがマニュアルの範囲内である限りにこやかに、嫌な顔ひとつせずに対応してくれます。ヨーロッパだと、絶対できることでも、めんどくさい、と言う理由で断られるかも。
サーヴィスしてもらったはいいけど、「今夜仕事の後、お酒でも飲みに行かない?」という超めんどくさいおまけがついてきてしまったりすることもしばしば。それとか、一流ホテルのフロントが「偉そう」である、とかね。日本だったら格が上がるにしたがってより一層愛想よくなっていくものだけど。

で、まあいずれにしろ、部外者(というか客)のわたくしから見て、「そのオペレーションはどうなの・・もっと効率的にどうにかならないの?」と言いたくなることがしばしばなわけですよ。

で、そんなわたくしを唖然とさせるのがハワイというか多分米国もそうなのかしら・・。
サーヴィスの質がめちゃくちゃいい。
オペレーションも、水も漏らさない。

サーヴィスする人対客、という個人的な顧客満足も満たした上で、大枠としてのマニュアルの構築も日本より数段素晴らしい、と思う。ヨーロッパ、そもそも相手になってない。

例えばレストランですが、ヨーロッパで大型のやたら流行っているお店に入ってオーダーしたら、「注文ちゃんと通ってるかなあ・・あのおっさん、忘れてないかなあ・・」と心配になってくるし、まあ2割くらいの確率で何らかのトラブルが発生するので、なんとなく身構えている習慣がついてしまったわたくしですが・・今回入った、恐らくワイキキで一番流行っていると思われるレストラン、ものすごい大型でしかも1時間待ち、とかいう大胆なウェイティングを敢行しないと入れない勢いの「Cheese cake Factory」・・オペレーション、本当にお見事。

ウェイティングリストは完璧なコンピューター管理で、なにやら謎のトランシーバーのような機械を渡され、それが光ったら空席が出来た印、なのでそれほど離れなければ適当に遊びながら待っていられる、というのもすごいですが・・すごい大量の人数をさばいているのに、オペレーションに全くよどみなし。注文してからドリンク・フードが出てくる時間も素晴らしい。
おまけに残した料理をボックスに詰めてくれて、迅速に出してくれる。
ある意味、回転率を上げるための工夫だというのはわかるんだけど・・そりゃ、流行るよ。このお店。
しかも、どう見ても女の子っぽいキュートな動き方のガタイの良い青年ウェイター君は何度も何度も様子を見に来て、「なにか欲しいものない?」とか「おいしい?」とか聞いてくれるわけ。

いや、わかってるよ。それがチップ文化だ、ということは。
北米圏のチップの習慣は、日本はもちろん、ヨーロッパ人にもちょっと戸惑うくらいなので、それが純粋にお給料の一部となるからには、必死でサーヴィスするのも当たり前。
実際、このウェイター君にはかなりチップもはずんだし。

でもこのクォリティーは、「コンピュータ管理とか、そういうハード面でのオペレーションの完璧」さと、「人対人のコミュニケーションというソフト面を重要視してる」こと、の二つが噛み合って初めて生み出されるものよねー。と、一種感動いたしました。わたくしは。

これは結構全てに言えることで、まあ、日本人観光客とそれをビジネスにしているハワイの人たちの「幸福な関係」のおかげかもしれないけど、とにかくソツがない。観光ツアーも、リムジンでのお出迎えも、全く不安感がないのよ。
そしてマニュアルっぽさもあんまりない。
みんな適度にフレンドリーで、人間対人間としての会話も十分成り立ちつつ、人間風味が出てくると同時に感じられる「アバウトさ」とか「いい加減さ」とかがない。
サーヴィスの質としては、全体のイメージとして、日本よりヨーロッパよりもずっとうえだと思います。わたくしは。

あ、たださ、買い物してるとやたら声をかけられるのは大いにマイナス。特に日本人のためのお店は、以前タイにいった時に「土産物屋さんとのバトル」をさんざん経験したことを思い出しました。とにかく虎視眈々、という感じでおばさんたちが襲い掛かってくるので、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、としなきゃいけないのがめんどくさい。
よく渋谷とかで、道歩いてると有名画家絵葉書を配っていて、受け取ろうものなら敵はその絵葉書を離さず、結果的に両者で一枚の絵葉書を握り締めることになったタイミングでばっちり目を見ながら「いまそこで展覧会をやってまして★」ってやるやつ、あるでしょう? あれは、ある意味で、ハワイの接客と似ている。もので釣っておいて、一瞬の隙を突いて攻撃してくるあたりが、まあアメリカ的といえばアメリカ的なのかしら。

ただまあ、総じて、「サーヴィスの結果が顧客満足と、現実的な今日の自分のギャラに関わってくる」という感じの、実力主義というか・・なるほど現代国家としてのあり方を見るような気がしましたわ。
・・小泉改革みたい。

総じて、ハワイのバカンスには、いらいらさせられることが少ない。心配させられることが少ない。海外旅行としてはすごーく稀有なことだと思います。
ストレスを感じないので、心穏やかに日々を過ごすことが出来るのよね。この辺が、ハワイのいいところなんだろうなー。